2012年5月18日(金) 舞台版 海辺のカフカの感想
2012年 05月 26日
こんにちは。
もうだいぶ日が経ってしまいましたが、
埼玉県与野本町の彩の国さいたま芸術劇場で
村上春樹の小説『海辺のカフカ』の舞台版を観てきました。
『海辺のカフカ』は私が読書好きになる、きっかけの作品
でした。私は高校一年の夏にこの作品を読むまで、
自分が本を読める人だと思っていなくて、
中学校の朝の読書の時間でも、本のページを広げる
ことしかできなかったんです。
ところが、親が買った『海辺のカフカ』の文庫本を
いざ読んでみたら、結構長めのこの本を二日ぐらいで
読めてしまったんです!!。それもすごくおもしろかった。
それから、自分は本を読むことができると気づいて、
簡単な本から徐々に読む本を広げていって
今日に至ります。ですので『海辺のカフカ』は
私にとって特別な意味のある作品なのです。
舞台化されるという話はだいぶ前から知っていたのですが、
公演がいつから始まるのかを全く知りませんでした。
それから、ネットや新聞等で公演日程や評判を知り、
チケットを取りました。
原作は何回か読んでいますが、本当になにもかもが忠実に
再現されていました。そういえば、あのシーンは
出てこなかったなと
思ったものは一つ(空から魚が降ってくる
場面)ありましたが、
上下巻1000ページの内容がほぼ不足なく、
約3時間の舞台にぎっしり詰め込んでありました。
出演者の配役もイメージピッタリですし、
場面の目まぐるしい変化も、ミステリー的な要素も
全てが見事に舞台化されていました。
原作と比べて違和感は全くなかったです。
あらゆる面で、『海辺のカフカ』の作品としての
奥深い包容力や、むき出しの臓器そのものような
生々しいヒリヒリ感も再現されてました。
初の舞台鑑賞でしたが、 生で人が演じている迫力、
発せられるものが 直に届いてくる感じはすごく刺激的でした。
小説を読む場合は文字を追いながら、登場人物の
表情や感情を自分という装置でイメージしているのですが、
舞台だと出演者が役をイメージして演じているものを
受け止めるという形になりますが、生の人間から出る言霊と、
そこに込められた情熱や切なさを受け取るのはとても生々しい
芸術体験だなと思いました。
記憶があいまいで
ちゃんとしたレポじゃないかもしれませんが、
書いてみます。
原作は主人公のカフカサイドと中田さんサイドのエピソードが
交互に展開していくのですが、その場面の入れ替わりを
演出道具が入ったガラス張りの箱を黒子が動かすことで
再現していました。ものすごくお金のかかっているであろう
素晴らしい演出でしたね。
ストーリーの概要を説明するには私には
力不足ですね。感想的なものしかかけないです。
主人公のカフカが家出をして、高松に向かうために乗ったバスが
サービスエリアに停まって、カフカが休憩しているときに
佐藤江梨子さん演じるさくら(答えは明かされませんが、
カフカと生き別れになった姉ではないかという
疑惑のある人物です)という女性が彼に話しかけてきます。
さくらのしゃべりはまさに寸断なく放たれるマシンガンのような
ものなんですよね。勢いよく言葉を紡ぎながらも、カフカに対する
気づかいの言葉も忘れない。そんなさくらの話しぶりに口下手な私は
憧れてしまいましたね。さくらに対してはカフカからの突然の連絡を
受け入れたり、カフカの解しがたい言動も受け入れる
やさしさには胸を打たれました。
後は舞台ということもあり、一個一個のセリフ
に重みが加わってました。村上春樹特有の比喩とかも
改めて演者の熱が入ったセリフとして聴くと、比喩は実際にその状況
体験しなくても、比喩があらわす世界に連れて行ってくれるんだなと
言う実感が胸に染み渡りました。
主人公の一人でもあるナカタさんは、小学生の頃
戦時中に女性教師の故意ではない暴力によって、
それまでは神童的な存在だったのが、記憶を失って
読み書きもできなくなってしまったという経緯のある老人なのですが、
彼と高松の(カフカの家出先の高松にある)甲村図書館という
ところに住む佐伯さんという女性が
出会い、お互いに役目を終えて死んでしまうシーンが物語の後半に
あるのですが、そのシーンがとても切なかったです。
お互いに過去の不幸なことがきっかけで、
自分の半分が損なわれてしまった人同士なのですが、
それを自覚しているがゆえの痛みが
セリフや佇まいから伝わってきて、
観てるだけで生々しい痛みを感じましたね。
具体的にはこのくらいしか書けないですね。
でも、舞台ってすごくいいと思いましたよ。
演者の気がすごく伝わるんですよね。
映像を介在しない生の声とか動きは、
皮膚に直接刺激が来るような感覚がありました。
大好きな作家である村上春樹の世界を
また違った媒体で堪能できて、
舞台というフォーマットならではの
生の人間観を味わえたのが刺激的でした。
もうだいぶ日が経ってしまいましたが、
埼玉県与野本町の彩の国さいたま芸術劇場で
村上春樹の小説『海辺のカフカ』の舞台版を観てきました。
『海辺のカフカ』は私が読書好きになる、きっかけの作品
でした。私は高校一年の夏にこの作品を読むまで、
自分が本を読める人だと思っていなくて、
中学校の朝の読書の時間でも、本のページを広げる
ことしかできなかったんです。
ところが、親が買った『海辺のカフカ』の文庫本を
いざ読んでみたら、結構長めのこの本を二日ぐらいで
読めてしまったんです!!。それもすごくおもしろかった。
それから、自分は本を読むことができると気づいて、
簡単な本から徐々に読む本を広げていって
今日に至ります。ですので『海辺のカフカ』は
私にとって特別な意味のある作品なのです。
舞台化されるという話はだいぶ前から知っていたのですが、
公演がいつから始まるのかを全く知りませんでした。
それから、ネットや新聞等で公演日程や評判を知り、
チケットを取りました。
原作は何回か読んでいますが、本当になにもかもが忠実に
再現されていました。そういえば、あのシーンは
出てこなかったなと
思ったものは一つ(空から魚が降ってくる
場面)ありましたが、
上下巻1000ページの内容がほぼ不足なく、
約3時間の舞台にぎっしり詰め込んでありました。
出演者の配役もイメージピッタリですし、
場面の目まぐるしい変化も、ミステリー的な要素も
全てが見事に舞台化されていました。
原作と比べて違和感は全くなかったです。
あらゆる面で、『海辺のカフカ』の作品としての
奥深い包容力や、むき出しの臓器そのものような
生々しいヒリヒリ感も再現されてました。
初の舞台鑑賞でしたが、 生で人が演じている迫力、
発せられるものが 直に届いてくる感じはすごく刺激的でした。
小説を読む場合は文字を追いながら、登場人物の
表情や感情を自分という装置でイメージしているのですが、
舞台だと出演者が役をイメージして演じているものを
受け止めるという形になりますが、生の人間から出る言霊と、
そこに込められた情熱や切なさを受け取るのはとても生々しい
芸術体験だなと思いました。
記憶があいまいで
ちゃんとしたレポじゃないかもしれませんが、
書いてみます。
原作は主人公のカフカサイドと中田さんサイドのエピソードが
交互に展開していくのですが、その場面の入れ替わりを
演出道具が入ったガラス張りの箱を黒子が動かすことで
再現していました。ものすごくお金のかかっているであろう
素晴らしい演出でしたね。
ストーリーの概要を説明するには私には
力不足ですね。感想的なものしかかけないです。
主人公のカフカが家出をして、高松に向かうために乗ったバスが
サービスエリアに停まって、カフカが休憩しているときに
佐藤江梨子さん演じるさくら(答えは明かされませんが、
カフカと生き別れになった姉ではないかという
疑惑のある人物です)という女性が彼に話しかけてきます。
さくらのしゃべりはまさに寸断なく放たれるマシンガンのような
ものなんですよね。勢いよく言葉を紡ぎながらも、カフカに対する
気づかいの言葉も忘れない。そんなさくらの話しぶりに口下手な私は
憧れてしまいましたね。さくらに対してはカフカからの突然の連絡を
受け入れたり、カフカの解しがたい言動も受け入れる
やさしさには胸を打たれました。
後は舞台ということもあり、一個一個のセリフ
に重みが加わってました。村上春樹特有の比喩とかも
改めて演者の熱が入ったセリフとして聴くと、比喩は実際にその状況
体験しなくても、比喩があらわす世界に連れて行ってくれるんだなと
言う実感が胸に染み渡りました。
主人公の一人でもあるナカタさんは、小学生の頃
戦時中に女性教師の故意ではない暴力によって、
それまでは神童的な存在だったのが、記憶を失って
読み書きもできなくなってしまったという経緯のある老人なのですが、
彼と高松の(カフカの家出先の高松にある)甲村図書館という
ところに住む佐伯さんという女性が
出会い、お互いに役目を終えて死んでしまうシーンが物語の後半に
あるのですが、そのシーンがとても切なかったです。
お互いに過去の不幸なことがきっかけで、
自分の半分が損なわれてしまった人同士なのですが、
それを自覚しているがゆえの痛みが
セリフや佇まいから伝わってきて、
観てるだけで生々しい痛みを感じましたね。
具体的にはこのくらいしか書けないですね。
でも、舞台ってすごくいいと思いましたよ。
演者の気がすごく伝わるんですよね。
映像を介在しない生の声とか動きは、
皮膚に直接刺激が来るような感覚がありました。
大好きな作家である村上春樹の世界を
また違った媒体で堪能できて、
舞台というフォーマットならではの
生の人間観を味わえたのが刺激的でした。
# by kaze0929 | 2012-05-26 23:49 | その他 | Trackback | Comments(0)


